じゅーゆそ!

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【CT②】造影検査の投与方法で体重基準ってビミョー。

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まえがき

まずは、反省から。前回体内循環シミュレーションを紹介した。理由は、造影検査を勉強したいから。しかし、やっぱり巷では、造影理論や造影技術などという書籍が出回っていた。しかも、2004年に。

 

 

 

私のような鎖国状態の診療放射線技師では気づかなかった。

これを読めば済んだことであったかもしれない。でも、このブログは、1人診療放射線技師の悪あがきであるので、まぁいいかな。あと、私のモットーであるなるべくお金を使わないってことを考えると書籍を買うのは勿体ないからねー。って強気になってみた。第2回目は、体内循環シミュレーションから投与方法を考えてみた。

投与方法を考えよー

第1回のように神様Bae様の論文を参考にした。

Bae KT, Seeck BA, Hildebolt CF, et al. Contrast enhancement in cardiovascular MDCT: effect of body weight, height, body surface area, body mass index, and obesity. AJR Am J Roentgenol. 2008;190(3):777-784.
Bae KT, Heiken JP, Brink JA. Aortic and hepatic contrast medium enhancement at CT. Part I. Prediction with a computer model. Radiology. 1998;207(3):647-655. 

この論文を見ると、体重でヨードのボリュームを決めて、注入持続時間を揃えて投与するのがいいって書いてあるような気がする。合っているのか、シミュレーションしてみよう。

まぁ、一般的に薬のボリュームを体重で決めるって抗癌剤もそうですから、根本的に間違っているってこともないですよね。でも、抗癌剤のボリュームも体表面積or体重など時代背景で変化しているって薬剤師の方は言っていたしね。今後、造影剤も同じような道を辿るんでしょうか!でも、不思議なのは、人の生理機能(心拍出量、循環血液量、糸球体濾過率、基礎代謝など)は体重や体表面積で表現できることですよね。って、横道にそれてしまいました。

 

じゃあ、単純に60kgと120kgを想定して、120kgの方にボリュームを倍にして、注入持続時間は30で固定すれば理論上、体内循環は揃うはず!

じゃあ、試す。

体重毎で揃えるヨード

あれ、揃わない。

上のグラフは

  • 実線 体重30kg レート3   注入持続時間30
  • 点線 体重120kg レート3 注入持続時間30
  • 細かい点線 体重120kg レート6 注入持続時間30

私の予想だと、実線と細かい点線は揃うはずなのに、でも注入持続時間60のところは、一致しているな。あと気になることとしては、実線と点線と比べると点線は実線の半分になるはず。体重60kgと体重120kgの方に同じヨードを投与しているし。

なんで???わからん???

やっぱり、独学は無理?悪あがきなんて言ったのが間違いだった。。

第2回目にして、終了か!!!!

もっと悪あがきをしてみよう。

なんか、やっていることが、診療放射線技師のことなのか、プログラムと戦っているのかわからなくなってきた。なぜなら、線を重ねることだけを考えているからである。

プログラムを見直してみる。うーん。わからん。

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体重の要素を変えて、変化するのは心拍出量と循環血液量となっているね。

循環血液量が2倍になっているなら、心拍出量を2倍にしないと数学的に誤っているのではないかな。心拍出量を強制的に60kgの場合の2倍にして、再計算してみよう!

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ジャジャーン。やっぱし、そうだったのね!天才かもしれない!!まぁ、今回は体重だけに着目して数値を変更したことが根本的な誤りだったかもね。身長同じで体重60kgと120kgってあり得ないもん。でも、体重と身長で、心拍出量と循環血液量を定義した場合って、両者が同じ割合で増加しないので、循環って、体重でボリュームを規定するって限界あるのかな。まぁ、私は学会などに属さないフリーランスなので言えますけど、体重で決めるのってビミョー。まぁ、方向性は間違ってないかもですけど。でも、巷では、循環のバラツキって、どの程度許容されているんですかね。色々興味を持ち始めました。

もう1度、グラフに振り返ると、注入持続時間60以降って、すごい一致していますね。ってことは、神様Bae様の論文で注入持続時間に関する記載って、CTAとか以外はあまり気にしなくていいんじゃない?!とくに大病院じゃなければ。でも、CTAたまにくるし、そのときにもう1回グラフのピークに関しては考えることにしよう。

あとがき

って、この2回目のブログ診療放射線技師向けなんでしょうか。書いてる自分が本質を疑いたくなるような回になってしまったかも。そもそもプログラム自体に限界があるってコメント来たら終了ですね。

では、長々ありがとうございます。もちろん、間違っていたら教えて下さいね!