【CT①】造影検査を勉強するために体内動態シミュレーションを頑張ってみた。
1人診療放射線技師でCT検査するのは大変だよ…
まえがき
個人病院の診療放射線技師って情報が全然入ってこないんですよ。メーカーの人も大病院にしか行かないし、個人病院の私なんてあの方達にとっては眼中にないしね。まぁ、装置の更新頻度を考えると仕方ないかな。1人診療放射線技師だと学会にも行けない。でも、怠けてばかりもいられないので、モダリティの中でも好きと思えるCTに関して勉強しようと思った。個人病院の診療放射線技師でも頑張れるんだよって、悪あがきしてみた。学会発表は全く興味なしなんで、戦歴を日記程度に書こうかな。間違ってたら、コメントしてね。
まず、私の武器!(と思っている)
- 多少英語論文読める。
- プログラム好き!
なので、英語論文でも読み始めて、勉強している風を装った。
まず第1回目は、最近造影検査が増えてきたので、それについて調べてみた。
造影検査を少しでも好きになるように、体内動態をシミュレーション出来たらいいなって想っていたら、色々論文があったので、それを今回は紹介します!
まずは調査
色々CTの造影に関してググると、Baeさんが凄いってことが分かってきた。もう20年ほど前の論文ではあるが、下の論文は薬学を応用して、造影の循環動態をシミュレーションしていた。
Bae KT, Heiken JP, Brink JA. Aortic and hepatic contrast medium enhancement at CT. Part I. Prediction with a computer model. Radiology. 1998;207(3):647-655.
日本放射線技術学会でも下の論文は、同じように造影の循環動態をシミュレーションしていた。
山口 功, 林 弘之, 鈴木 正行, 木戸屋 栄次, 東村 享治. 薬物動態解析を用いた大動脈における造影剤濃度変化の推測 : MDCTを使用した急速静注下造影検査(<特集>心臓関連論文特集号). 日本放射線技術學會雜誌. 2007;63(6):621-627.
これによると実機で体内循環動態をシミュレーションしていた人もいるらしい。実機でもやってみようと思ったけど、お金かかるんでやめた。プログラムならお金かからないしね。
計算法
要するに体内循環をシミュレーションするには、
- 右心系,肺循環系,左心系,大動脈,末梢動脈・ 毛細血管,静脈系の 6-コンパートメントの式を組み立てる。
- 連立微分方程式の解は 6 次のRunge-Kutta法を用いる。
これだけで良いみたい。
6 次のRunge-Kutta法は、ググってみるとC言語やmatlabなどを用いて解析できそう。matlabなら普段使っているoctaveで何とかなるかもって思った。もし、octaveのインストールが分からなければ、ググってね。
それで、まずは、6-コンパートメントと変数を埋めるために、身長と体重を決めて、病院に来そうだと思う年齢の心係数で計算してみることにした。
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注入速度は多分オーソドックスと思われる。レートが3で時間が30とした。
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注入速度の定義は条件式で良いのかあ。多分良いと思うっていうか良いとしよう!
あとは、matlab、6 次のRunge-Kutta法でググって、他の方のお知恵を拝借して、計算してみた。
結果
結果は、こんな感じ!
まぁ、論文を参考にシミュレーション結果のグラフを見ると、間違っていなそうな循環動態を示していそう。このグラフってTDCとかTECって言う人もいるけど、どっちが正解なんかな。でも、これでシミュレーションできたら、少し造影検査に苦手意識がなくなるかも。
どうだ、凄いだろ!ってみんな当たり前にできているんだろうね。診療放射線技師の知り合いがいなくて鎖国状態なので、わからないですが…。
少し時代遅れになった感があるけど、シミュレーションしてみました。
では!
ちなみに、間違っていたら、コメント下さいな。